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18世紀の弓・楽器事情について Part-2


出典:The Sound of Tartini/Peter Lang P54

18世紀以前の古い弓の特徴として、弓の先端で毛束とヘッド底面の間にわずかな隙間が出来る作りになっていることがある。毛が当たっている箇所が木のプラグ一点であってバロックボウを作り始めた当初はこれで本当に良いものかわからなかったが、多くの弓でそのような作りになっていることや研究者が古い弓の特徴として挙げていることなどから17世紀の弓と18世紀の弓を作り分ける際に参考にしている。毛束がヘッドの際に接地している弓とではテンションや使用感に違いがあり、古い作りの弓はどちらかというとルネサンスボウに弾いた感じが近い。タルティーニが前期に使用していた弓は17世紀スタイルの弓で当時流行りではなくなりつつあった作りであったが、メッサディヴォ―チェやトレモロといったタルティーニの演奏に適したものであるという。


18世紀半ばになるとタルティーニはイタリアンスタイルのハイヘッドの弓を使い始める。イタリアンスタイルの弓は北イタリアや南ドイツで生まれた弓でクラマーモデルのクラシカルボウが出てくるまでの数十年の間ヨーロッパを席巻した。タルティーニなどイタリアの音楽家の下で学んだ人達が自国に弓を持ち帰りこれを広めた。(続く)



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