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プロフィール

登録日: 2018年8月26日

記事 (138)

2026年2月7日2
ヴィオル概論より
ジャン=ジャック・ルソー "またこの小冊子では、弓の木は中国産でなければならないし、弓の毛は、白毛の方が黒毛よりも柔らかいので、白毛を張るべきだと述べられている。しかし[実際には]、中国産の木に勝るとも劣らぬいろいろな木が、弓を作るために使われているように思える。もちろん、中国産の木で作った弓の方が良いことは認めるが、それ以外に弓の材料はありえないと決めつけるべきではない。というのも、そのように思い込んでしまうと、中国人と交易がなくなった時に、ヴィオルを諦めねばならなくなるからである。また弓の毛は、白毛がもっとも柔らかく、ドゥシュ・ド・ヴィオルに適していることは確かであるが、バス[・ド・ヴィオル]の音を引き出すのは、白毛より黒毛の方が適している。" ジャン・ルソー著 ヴィオル概論 関根敏子/神戸愉樹美 共訳より ヴィオル概論でルソーが述べている中国というのは当時の東洋趣味(オリエンタリズム)においてエキゾチックなものを指すものであり、中国産の木というのは当時普及が進みつつあったスネークウッドのことであろう。スネークウッドに弓の材料が移っていく過程がよく分かる一文である。以後一世紀...

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2026年2月2日4
馬毛について
ルッキの毛は好き嫌いが分かれるが、ルッキの自伝を読むと何となく見えてくるものがある。ジョバンニ・ルッキはコントラバス奏者としてキャリアをスタートし、周辺の奏者の弓の毛替えをするところから弓職人の道を歩み始めた異色の経歴の持ち主である。弓の毛には並々ならぬこだわりを持って理想の毛を捜し歩いた結果、通説にある寒冷な北国の馬毛よりも暑い地元の馬毛のほうが弓には適していることに気付いたという。彼は良い馬毛の条件とは無漂白で引っ張ってもなかなか切れずある程度伸びる強い毛であり、水分をよく吸い込むような引っ張ってすぐに切れるような毛は弓用には適していないと言う。 機器による引っ張りテストを行い、色々な毛を試した上で自分個人としての意見では、強い弓にはルッキの言うように水をあまり吸い込まず引っ張ってもなかなか切れないような馬毛が適していると思う。特にコントラバスやチェロ、そしてルッキが作っていたような強い弓にはルッキの毛やM社が扱っているような太い毛が、弾いた時に手ごたえや音に厚みがあって良いと思う。一方で同じ毛をしなやかな古い弓に張ると何か違うと感じてしまう。単調で音に艶がなくつまらない。そ...

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2025年12月25日1
ディヴィジョン・ヴィオールの弓
出典:THE DIVISION-VIOL/Christopher Simpson イギリスのクリストファー・シンプソン(1605~1669)が1659年に出版した“ディヴィジョン・ヴィオール”では、肘を伸ばして弓を構えるとある。大陸で行われていた演奏とは異なり、肘を伸ばした状態で肩関節を主に使い演奏したらしい。当時よく行われたのは即興によるバトルであり、力とスピードで相手を打ち負かさんとする荒々しいものであった。 シンプソンによれば弓は硬いものが好ましいが、あまり重くないものが良いという。毛の長さは68㎝ぐらいで、フロッグの高さは2㎝程でバイオリンのモダンボウと同じぐらい、長さは短いものが良いとある。肘を伸ばしてとあるのである程度の長さは必要であっただろう。弓に使用した材料はよく分からないが、この頃になるとイギリスの家具にはスネークウッドが使われるようになり目ざとい楽器職人達がこれを見逃す筈はないので、おそらくスネークウッドであったのではないか。 シンプソンが記した内容は楽器の構え方にはじまり、弦のチューニング、運弓の仕方、音階など多岐にわたる。バイオリン属ではここまで丁寧な指南...

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Satoshi Kamata

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