a¹=465~70
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バロックという言葉が音楽史上はじめて文献に出てくるのは1734年、無名の著者がラモ―のイポリートとアリシーを評したところからである。ラモ―を異質な物として捉え、奇怪でグロテスクであると痛烈に批判したことが、我々が知り得る言葉の起源である。当時のリュリ派の人でなくとも、現在の我々がラモ―を聴いてみてもラモ―は異質なものであり、この時ポッと出た言葉をざっくりと1600年から1750年という長い時間を形容する言葉として当てはめるには無理があってきっと適切ではなく、もう少し丁寧にものをみていかなければならないと自戒を込めて思う。
当時の音を考えるにあたり、数多あるその時々の楽器やピッチについて頭の片隅に置いておく必要があり、なぜそのようなピッチになったかといえば弦楽器では楽器のサイズと弦長がピッチを決めるからだ。a¹=465~70というのはアマティー兄弟が作っていた3/4サイズの楽器が設計上最も豊かな音をだすことが出来るピッチであるといい、昔の人がやっていたように高音弦を切れる寸前まで張っていき、音を合わせると自然とそのようになるのだろう。また16世紀から17世紀初頭にかけてバイオリンのネックは短いものであり弦長は29.7㎝ぐらいで、高いピッチでの調弦が適正であった。色々なピッチで演奏する機会も増えているが、ただ単に音を合わせただけでは分からない音の世界がそこに拡がっていたことを記憶に留めておくべきだと思う。
画像:STRINGED INSTRUMENTS/ASHMOLEAN HANDBOOKS,p40
Violin by the brothers Amati:Antonio and Girolamo


