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ヴィオル概論より

ジャン=ジャック・ルソー
ジャン=ジャック・ルソー

"またこの小冊子では、弓の木は中国産でなければならないし、弓の毛は、白毛の方が黒毛よりも柔らかいので、白毛を張るべきだと述べられている。しかし[実際には]、中国産の木に勝るとも劣らぬいろいろな木が、弓を作るために使われているように思える。もちろん、中国産の木で作った弓の方が良いことは認めるが、それ以外に弓の材料はありえないと決めつけるべきではない。というのも、そのように思い込んでしまうと、中国人と交易がなくなった時に、ヴィオルを諦めねばならなくなるからである。また弓の毛は、白毛がもっとも柔らかく、ドゥシュ・ド・ヴィオルに適していることは確かであるが、バス[・ド・ヴィオル]の音を引き出すのは、白毛より黒毛の方が適している。"


ジャン・ルソー著 ヴィオル概論 関根敏子/神戸愉樹美 共訳より


ヴィオル概論でルソーが述べている中国というのは当時の東洋趣味(オリエンタリズム)においてエキゾチックなものを指すものであり、中国産の木というのは当時普及が進みつつあったスネークウッドのことであろう。スネークウッドに弓の材料が移っていく過程がよく分かる一文である。以後一世紀以上にわたりスネークウッドの時代が続くことになる。ルソーが当時考えていたことと我々が今直面している諸問題には通じるところがありデジャブ―のようで面白い。この訳本が出版された80年代には多くの人が後期バロックのチェロ弓をガンバの演奏に使っていたので、この頃にガンバの演奏を始めた人達が持っている弓を見るとオーバーハンドで使用できるチェロ弓であることがある。その後研究が進み、バランスをとる為にエンドのボタン部分の長い、絵画に見るような弓を皆が作り始めるようになる。


 
 

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